池に落ちた土星

土星が三つ出来た話』

街かどのバーへ
土星が飲みにくるというので
しらべてみたら只の人間であった
その人間がどうして土星になったかというと
話に輪をかける癖があるからだと
そんなことに輪をかけて
土星がくるなんて云った男のほうが土星だと云ったら
そんなつまらない話に輪をかけて
しゃれたつもりの君こそ土星だと云われた

― 稲垣足穂 「一千一秒物語」より ―


街角のバーで
輪に輪をかけて
土星が三つ、
どんな話をしていたのでしょう



― 日記(11月10日) ―


朝「ドスン」という音がしたので

窓を開けると

家の池に土星が落ちていた。


驚いて街角のバーに行って話すと・・・



「そりゃまた土星が落ちるほどの池とは
上沼恵美子さんもびっくりの大きな池だね」

「そうさ、それよりも
土星の真ん中に
『ガーコガーコ』と喋る土星人がいてね
美味しそうだから食べちゃおうと思ってね。」

「そいつはいけねーなー。
きっと夜になったら土星は帰るだろうから
そっとしておいたほうがいいよ。」

「うーむ。土星を操る者がいないと
土星が迷子になっちゃうだろうから
食べずにそっとしておくとしよう。」


夜になって

何か光るものが

ツツツーと昇っていきましたが


窓の外はいつものように

静かで穏やかな夜が寝そべっていました



「家の池(上沼恵美子調)に落ちた土星の輪」><


― 吉夜夢の妄想夜話 ―






あなたの横にも

土星が寝そべっているかも知れません


(優しい輪をかけて・・・)


寒くなってきたので

あったかくして

おやすみなさい


(^―^)
..



―日記(11月11日)―

今日は知らない街を長時間歩かねばならず
冷たい木枯らしが強くて手袋が恋しい一日でした。
また道に迷ってしまったかなぁ…と不安になりましたが、
・・・目に飛び込んできた ス ス キ !・・・
「ススキと云えば、アレです。。。」
・・・と、空を見上げると
いらっしゃいました!



[北風と月]

単純な私は不安をぶっ飛ばし
たちまち元気がでてきました

それにしても今日のお月さまは

まるで

「食いしん坊の妖怪に食べられてはなるものかー!」

と云わんばかりに、
お椀を伏せたようなお月さまです。

そんな健気なお月さまを見て

私は勿論
「今夜は食べませんよ。」
と固く誓ったのでした。


さてさて夜・・・


今夜の「妖怪ぐつぐつ」

<材料>
大いなる大自然の恵みの「北海道産の野菜」と
大いなる「宇宙産」のお月さまと北斗七星(←産地偽装か?><)


ふふふ・・・と不気味に笑いながら
お鍋でぐつぐつ・・・ぐつぐつ・・・


[シチュー味のお月さまと北斗七星]


夕方のあの美しい誓いは、
はるか宇宙のかなたへ…………

今夜も結局、妖怪はお月さまと北斗七星を
食べちゃうのでした・・・

おやすみなさい><

..