お月さんのつぼみ

一足進めるごとに
沈黙していた枯葉が
カサコソと話し始める。

道を覆いつくした枯葉を見て

そうか、
もう落ちてしまったのだなと
少し哀しく思い




見上げてみると、


葉を落とした枝に
「お月さんのつぼみ」
が咲いていた


葉っぱをすべて落としてしまった枝は
哀しいだろうか
単に次の準備をしているに過ぎず
月が欠けては満ちてゆくように
木もまた準備の時を淡々と刻む

ふと見上げた時に

寒そうな枝に
お月さんが
ちょこんと腰かけて

「まるで『月のつぼみ』みたいでしょ?」

と、

お月さんが笑った




「秋枝咲月非哀也」



お月さんも
たまには
おどけたことを
言うらしい


葉っぱがすべて落ちた枝にも月のつぼみが咲いた




おやすみなさい


追記

夜になって曇ってきたので

お月さんを食べてしまうことにしました。

お月さんを輪切りにしてお鍋でグツグツと煮てみました。

真っ赤な太陽も輪切りにして(←ただのトマトの輪切り)

・・・気のせいか、

お月さんはブリ大根の味がしました。

(月を食べたさに、ブリ大根を作った・・・><)



[お月さんを食べる]

おやすみなさい






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