天と地と風に追わるる月うさぎ
十三夜は
桃色の月うさぎと
かくれんぼして
鬼ごっこして
戯れた寒い夜だった
『天と地と風に追わるる月うさぎ』
☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆
自分は魔法が使えるものだと、
そう信じていた頃がある。
あるいは、
もし今うまくそれが使えなくても、
その内きっと使えるようになる、そう。
魔法には特別な品物はいらなくて、
いや、それはあっても勿論いいのだけれど、
もし揃えられなくても
本当はちっとも問題なくて、
目を灼くような夏の陽射し、
ガラスのような輝く海面、
むせるように濃い緑、
すきっと澄んだ夜明け前の風、
糸のように細い細い三日月、
そんなものが並んでいれば
それだけで
自分の手の内に魔力がみなぎる、
そんな気がしていた。
そして、走る。
―(中略)―
☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆
鳥よ、
風に乗って
月兎に
秘密の手紙を
届けてください
これからも
毎晩、
月うさぎが
あなたに
素敵な夢を
届けてくれますように
おやすみなさい
(^―^)
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