空梅雨と雨乞いの女

 


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 西では 雨よ降れ降れと祈り

 東では 傘が無いと雨に嘆く

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今日(6月13日)の、日本列島。


西日本(日本海側)一部では、

今年一番の猛暑日となった。

(大阪では37度を超えた。)



一方、

東日本(太平洋側)一部では、雨が降った。


梅雨時期でありながら、

雨が少ない「空梅雨」となっている。

農作物への影響が懸念されている。


カエルも雨が恋しかろうに。




日記:


「あの、、、」と話しかけると

相手が、一瞬ひるんだ。

私は怖くないぞとばかりに

笑って「ありがとう」を言うと、

相手は安心したように

顔をクチャクチャにしながら

笑った。

(鬼の顔も 笑うと、
意外とかわいいのだな(笑))



話が飛んで飛んで。



「そろそろ来るぞ!」

と思っていたら、

やっぱり来た! 

アレだ。



雨と晴れの境界線だ!



西日本では真夏日のような猛暑。

東日本では雨が降り涼しくも暗い空。



その境界線の空を見ただろうか。



あの、空を二分する

クッキリとした境界線の空を。


厚い黒い雲に覆われた空と

それを跳ね返すような

太陽の光で燦々と光る空。



その黒と白が

くっきりと一直線に分かれた

空の美しさを、見た。




ふと、

去年登った山を思い出した。


その山は、観光地とは程遠い、

登る人も少ないと思われるような

人気も無い静かな小さい山だ。


ゼーゼー言いながらも頂上に到着すると、

そこは、驚いたことに

昔、昔、

雨乞いをしたであろう形跡があった。

そうか、そうか、そうだったのか。

と、納得し、

私はひとり静かに山を下り始めた。



その時だ!


ひとりの女性とすれ違った。

およそ70歳代くらいの女性である。

すれ違いざまに「こんにちは」と

軽く会釈をすると、

その女性は

「(ほにゃららら)」

と、およそ日本語とは思えない言葉が

返ってきた。(古代語か?)


言葉だけでなく、

すれ違った瞬間の

なんとも言えない

その女性が放つ何かを

畏怖と尊敬の感情で受け止めた。


しかし、その女性の姿は、

その放つ輝きとは逆に、

ちょいとそこまで大根を買いに行く

そんな質素な身なりなのである。


登山のための服装でもなく

どこか遠い村人が着ていたであろう

そんな風貌なのだ。


険しい上り坂の山道を

その女性は、

「スイスイ」と登って行く。

颯爽としたその後ろ姿を見送りつつ、

ひょっとしたら

雨乞いのために

毎日のように

この山を登っては

この山を下りているのではないか。

そんな妄想が現実のように、

急斜面の登り方が

”颯爽”としていたのだ。


私は、勝手に

山に住む「雨乞いの人」

と、名付けている。


こんな気象の時には、

きっとあの「雨乞いの人」が、

あの山を登っては下りて

雨を望む人に雨を降らせ

雨を嫌う人に雨雲を去らせ

気象を左右しているんだろう、

と、妄想が膨らんだ。


そんな事を考えながら

うっかり見上げた空の

クッキリとした境界線の空が

あまりにも美しかった。


「雨乞いの人」ありがとう。


私も いつか

あんなふうに

颯爽と急な斜面を

駆け上がれるように

なりたいと思う。



今日は

境界線が美しい空でした。




続きは夢の中で・・・

おやすみなさい。


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